聴講まとめ:AIデータセンターと半導体、2026年の注目テクノロジー

四足歩行ロボット 関東
展示会に出ていた中国製の四足歩行ロボット

AIニーズでデータセンターや半導体がどのような状況にあるのか、どう変わっていくのか?
2026年の10大注目テクノロジーは?

10月16~17日に開催された「日経クロステックNEXT 東京2025」。「変革の最前線がわかるAI/DXの総合展」だそうです。登録すれば無料で入場できたので、ロボットをみて、2つ講演を聞いてきました。セミナー一覧は↓。一部アーカイブ配信もあるようです。

変革の最前線がわかるAI/DXの総合展 – 日経クロステックNEXT 東京 2025 | セミナー一覧

難しい話を分かりやすく説明してもらって、専門家はすごいなと。ほかの講演も聴けなかったのが残念。

全体を通して、インターネットやスマホが今や生活インフラになったように、AIエージェントやロボットが当たり前の世の中が結構な速さで来るのだろうな、と感じました。ほしい情報がすぐ手に入る、効率的になにかができるという一方、スマホができて電話番号を記憶する能力が退化したように、人間の能力で退化してしまうものも色々ありそうです(すでに色々退化しているのに😑)。電気や通信環境が遮断されたときの脆弱性は、むしろ増すのだろうと思います。

「AIデータセンターの進化と半導体戦略」ーー日本は既において行かれている。。。

長年半導体メーカーにお勤めされ、現在はコンサルタントをしているという工学博士の方のお話がメインでした。技術的なところは理解できていないため、かなりすっ飛ばしております😓。世の流れを把握する観点からまとめてみました。

  • AIサーバーの出荷数の見通し(2023~28年)は+18%(年平均成長率)。
  • データセンター投資はGAFAMが牽引役で、大きいところは1社で年間10兆円規模。中国系企業はそれより小さいものの米企業に次ぐ。日本はほとんどプレゼンスなし。(講演とは別ですが各国の市場規模は下のチャート)
  • NVIDIAのGPUの(AI)用途が、学習<推論になってきたことにより、理論的にメモリの必要量は線形ではなく二次関数的に増える(「メモリお化け」みたいなデータセンターが必要)。
  • (AI向け)処理能力の高いHBMメモリの大手はハイニクス、サムソン、マイクロン。3社あっても競合にならないほど需要が強い(従来メモリのように価格変動しない)。
  • AIデータセンターの主役はGPU(画像処理半導体)。
  • HBMの次としてCXLメモリ。日本ではキオクシアが取り組む。HBMがキャッシュ化し、コントロールが難しくなるので、AI開発者(例えばOpen AI)が半導体をカスタマイズするインセンティブが増す(←したがって、例えばOpen AIが半導体大手のブロードコムと開発で提携するようなことにつながる、という流れと思いましたが、理解が怪しい💦)。
  • 中国はAI半導体、AIクラウド、開発者の内製化を目指す。国策ファンドである「大基金」の3期目(2024年~)は7兆円規模。
  • 半導体設計者数:米国6万人、中国5.2万人、日本4000人(!)
  • 日本は半導体製造装置や素材が強いが、米国が内製化を目指したときどうなるのか。。。

日本、すでにクラウドインフラやさまざまなプラットフォームを米企業にとられてしまっていますし、国産AIもないし(あるのかもしれないけど、皆が使うのは外国製)。国策として先進半導体の国産化を目指すというラピダスがあるようですが、心配になります。

下はデータセンター市場の規模の国際比較。クラウドやAIの力の差がデータセンター規模の差と比例しているように見えますね。

(出典)総務省|令和7年版 情報通信白書|データ集

「2026年を展望する『10大テクノロジー』」ーーAIが本格的に生活に入ってくる未来が近そう

こちらは、日経クロステックの編集長さんたちが語ります。10大テクノロジーは;

  • AIエージェント
  • Vibe coding
  • E2E 自動運転
  • 中国系AI半導体
  • サーキュラー建築
  • 遠隔施工/自動施工
  • モダナイゼーション
  • 人型ロボット
  • メンテナンスDX
  • フィッシング詐欺

こちらは、個人的に気になったものを、ピックアップして。

AIエージェント:最近、言葉自体はよく聞くようになった気がし、関連ブースもたくさん出ていました。「お問い合わせ」的なものががチャットボットになっているやつ?のイメージでしたが、それだけではないようです。

通りがかりの別の講演で、チャットで「5人用の揚げ物機(fryer)が欲しいんだけど、おすすめは?」みたいに聞くと、ニーズにあった候補を返してくれるような実例がありました。米国の大手小売りが導入している買い物AIエージェントで、「検索して要件で絞り込んで」、みたいなところをAIがまとめてやってくれるというようなもののようです。

その他営業支援や購買交渉など、エージェント同士が協調したり、なんならスーパーバイザーAIという存在もありうるとのこと。人間のスーパーバイザーがAIエージェントになって、中間管理職いらなくなるのかも・・・。精神的にはなかなか良いかもしれませんが😅。

ふと、昨日私が「お問い合わせ」した銀行アプリのチャットの向こうにいたのは、人だったのだろうか、AIだったのだろうか、と思いました。

Vibe coding:初めて聞いた言葉なのですが、「Vibe」って、「ノリ」とか、「雰囲気」みたいな感じ?自分でコードを書くのではなく、AIに自然言語で「こんなの欲しい」とプロンプトで伝えてプログラミングしてく手法のようです。

うっすら私も知っていた、「AIがプログラムしてくれる」、ということかと思いました。うまく使えれば、私のようにPythonによる果実がなかなか得られない人には非常に良い。ただ、解説によると、結局AIに効果的なプロンプトを出せない未熟なプログラマーが淘汰されるかも、という話だったので、甘くはなさそうです。

遠隔施工/自動施工:これは大型建機なんかを遠隔で操作するもの。写真では、飛行機のシミュレーターみたいな装置に若い女性(一応作業服)が座って、操作していました。少子高齢化の中、仕事できる人が増えたり、作業環境の改善や効率化がすすめられる感じなのは良いですね。技術的には通信環境や操作インターフェイスの改善というのがあるそうです。

メンテナンスDX:インフラの老朽化に対応するためにAIによる解析、ドローン、衛星など様々な技術を活用することのようです。2026年度から5年間で20兆円の国家予算が組まれているとのこと。確かに技術者も足りないでしょうし、ベテランの「勘」をAIが代替できたらすごいです。

ヒト型&四足歩行ロボット

操作体験の人が操作していたようだけれど、狭いところを歩かせるのは難しそう。
転んでも立ち上がる。これはスペックがあまり高くないもので、最上位だと踊ったりできるらしい。
重量15kgだけど軽そうにみえる。顔のところのスキャナがなんか怖い生き物にみえた。真ん中のスペックで40万円。

見どころとなっていた中国製の人型&四足歩行ロボット。災害救助とか、工場とかで利用が想定されているもよう。まだちょっと頼りなさそうだけど、高スペックになられた暁には、ヒト型に家事全般お願いしたい😓。

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